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2014年度 共催講演会

2014年度
青山学院英語教育研究センター・JACET関東支部
共催講演会(第1回)
学校英語教育におけるCAN-DOリストの課題
講演者 : 高田 智子(明海大学)
日 時 : 2014年4月11日 (土) 16:00-17:30
場 所 : 青山学院大学総研ビル(14号館) 10階 第18会議室
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「講演概要」と講演時の「講演者略歴」

【講演概要】
「国際共通語としての英語力向上のための5つの提言と具体的施策」が発表されて以来、多くの中・高等学校がCAN-DOリスト作成を試みている。しかし、CAN-DOリストの言語能力観について学校教育関係者の理解は一様でなく、作成しても指導と評価に生かされていない傾向も見受けられる。本発表ではまず、文部科学省が求めるCAN-DOリストとCEFRのcan-doリストの共通点と相違点、およびCAN-DOリストと観点別学習状況の評価規準の役割を整理する。そして、検定教科書を使う英語の授業におけるCAN-DOリストの活用を、事例を挙げて提案する。

【講演者略歴】
高田 智子(明海大学)
お茶の水女子大学文教育学部卒業。ボストン大学大学院修了(M.Ed. in TESOL)。ニューヨーク大学大学院修了(Ph. D. in TESOL)。学習院女子中・高等科教諭を経て、明海大学外国語学部准教授。


2014年度
青山学院英語教育研究センター・JACET関東支部
共催講演会(第2回)
SLA研究最前線: 英語教師に必要な第2言語習得論
講演者 : 佐野 富士子(横浜国立大学)
日 時 : 2014年9月20日 (土) 16:00-17:30
場 所 : 青山学院大学総研ビル(14号館) 11階 第19会議室
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「講演概要」と講演時の「講演者略歴」

【講演概要】
文科省が平成23年に「国際共通語としての英語力向上のための5つの提言と具体的施策」を発表、平成26年2月には「英語教育の在り方に関する有識者会議」を設置するなど、生徒の英語力の向上が国家的に要求されている。そのような中、教育関係者の間では、英語教育を実践するために必要な基礎知識として、何をどう教えるかということだけではなく、学習者は第二言語をどう学んでいくのかという観点からみた知識の必要性が広く認識されつつある。本発表では、第二言語習得研究の概要を概説するとともに、なぜ英語教育に第二言語習得研究が必要なのか、その理由を解説し、多くの大学に設置されている英語科教育法の授業シラバスに第二言語習得論を組み込むことの意義と課題について論じてみたい。

【講演者略歴】
佐野 富士子(横浜国立大学教育人間科学部教授)
JACET SLA研究会代表。近刊に『第二言語習得と英語科教育法』JACET SLA研究会(開拓社)2013年;『大学英語教育学体系第5巻 第二言語習得:SLA研究と外国語教育』大学英語教育学会(監修) 佐野富士子・岡秀夫・遊佐典昭・金子朝子(編)(大修館書店)2011年;『文献からみる第二言語習得研究』JACET SLA研究会(開拓社)2010年がある。


2014年度
青山学院英語教育研究センター・JACET関東支部
共催講演会(第3回)
再考:英語教育を通して育てたい学ぶ力とは何か?
講演者 : 清水 公男(文京学院大学)
日 時 : 2014年10月10日 (土) 16:00-17:30
場 所 : 青山学院大学 17号館 6階 17606教室
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「講演概要」と講演時の「講演者略歴」

【講演概要】
知識基盤社会への移行やグローバル化の進行など変化の激しい現代においては、社会の変化に対応できる転移可能な知識と「自ら学ぶ力」としての柔軟かつポリバレントな批判的思考力・判断力・表現力・対話力等の育成が各教科教育で共通に模索されている。そうした力を育むために英語教育はどのように変わっていくべきであろうか。本発表では、学習や学力についての新しい考え方や構成要素を整理しながら、ただ単に「聞く・話す・書く・読む」の4技能化をめざすだけではなく、各学校種間における英語教育の場でどのような「学び」を育むべきかの一つの方向性を、授業デザイン(授業への思い、発想、構成、教材、問題意識)の観点から自身の実践事例を紹介しながら話題にする。

【講演者略歴】
清水 公男(文京学院大学)
文京学院大学外国語学部准教授。ウイスコンシン州立大学、上智大学大学院で学んだ後、私立・公立高校教諭、木更津工業高専を経て現職。専門は教育工学(授業研究、評価、教師教育)、英語教育学。講演概要に関連した論文に、「Critical Thinking Instruction and Its Effect for Students of KNCT」高専教育 No.34(2011)、「ジェネリックスキル育成への動向とその背景にある代替的評価としての形成的評価方法」JANTA Bulletin No.9(2012)等がある。


2014年度
青山学院英語教育研究センター・JACET関東支部
共催講演会(第4回)
CLILと協調学習の現状と課題
講演者 : 山崎 勝(埼玉県立和光国際高等学校)
日 時 : 2014年12月12日 (土) 16:00-17:30
場 所 : 青山学院大学 14号館 総研ビル 10階 第18会議室
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「講演概要」と講演時の「講演者略歴」

【講演概要】
本校は平成23年度より、上智大学との連携により、CLIL(Content and Language Integrated Learning)(内容言語統合型学習)の実践研究を行い、今年度で5年目を迎えた。外国語科2年生の「異文化理解」の授業で、題材として国際問題(global issues)を扱っている。また、埼玉県教育委員会は、東京大学大学発教育支援コンソーシアム推進機構(CoREF)と連携して、同機構が提唱する「知識構成型ジグソー法」による協調学習を推進している。本校は、平成24年度より研究開発校として研究授業を行ってきた。本校は協調学習をCLILの一形態として位置づけ、CLILと協調学習の統合を試みている。本発表では、日本の高校の英語の授業へのCLILの導入について、また、英語の授業における協調学習について、現状と課題を紹介したい。

【講演者略歴】
山崎 勝(埼玉県立和光国際高等学校)
埼玉県立和光国際高等学校教諭。埼玉県内の2校の公立高校を経て現職。埼玉県の公立高校に勤務して31年目になる。一般財団法人語学教育研究所研究員・評議員。著書にCLIL GLOBAL ISSUES(共著、三修社)がある。


2014年度
青山学院英語教育研究センター・JACET関東支部
共催講演会(第5回)
グローバル時代に求められる異文化間能力:
英語授業における現状と課題
講演者 : 中山 夏恵(共愛学園前橋国際大学)
栗原 文子(中央大学)
日 時 : 2015年1月10日 (土) 16:00-17:30
場 所 : 青山学院大学総研ビル(14号館) 11階 第19会議室
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「講演概要」と講演時の「講演者略歴」

【講演概要】
グローバル化がますます進む中、世界の様々な地域で、英語は国際共通語として頻繁に使用されている。そのような状況において、学習者に育成されるべきコミュニケーション能力とは何か、明確にしておくことは重要である。Byram(2009)は、言語能力、社会言語能力、談話能力に異文化間能力を加えた異文化間コミュニケーション能力のモデルを提唱した。欧州評議会ではCEFRに不足している異文化間能力を補足する意味でCARAP/FREPAにより、異文化間能力を可視化した。つまり、外国語によるコミュニケーションには、異文化間能力が不可欠であると認識されているのである。日本においても、外国語の指導目標として、言語と文化への理解を通じ、異文化間能力を備えた人材を育成することが学習指導要領(文科省,2009)に明記されている。しかし、その一方で、教室内での具体的な指導内容や育成方法については具体的に言及されておらず、実際の授業の内容は、各教員の異文化・あるいは異文化コミュニケーションに対する意識や経験、さらに使用する教材の様々な要因に影響を受けていることが推察される。これらの背景を踏まえ、本発表では、日本の英語教育における異文化指導の現状を、現職教員の意識(JACET教育問題研究会, 2012)と、中学校英語検定教科書の分析を通じて検証する。そして、異文化間能力の育成指導が体系的に言語教育の中に組み込まれ、継続的に実践されるために有効な方策を提案したい。

【講演者略歴】
中山 夏恵(共愛学園前橋国際大学准教授)
専門分野は、英語教育、異文化アプローチによる言語教育など。主な著書:『新しい時代の英語科教育の基礎と実践―成長する英語教師を目指して』(共著、2012、三修社)など。

栗原 文子(中央大学教授)
専門分野は、第二言語習得、英語教育、異文化アプローチによる言語教育など。 主な論文:“Promoting ‘noticing the gap’ in the Post-Task Phase: Comparing the Effects of Two Types of Activities.” 2007. JACET Journal 44: 59-70.,「日本人英語学習者による異文化間能力の検証-タスクにおける会話分析を通して-」2013『英語英米文学』No.53: 111-131.