TOP >> 2009 Monthly Meeting >> 2009/7/18の研究会Last updated on May 18, 2009
 
■■ 2009-2010 JACET Kanto Monthly Meeting ■■

演題:
テスト、教育、イノベーション―なぜテストで教育を変えようとする試みは失敗するのか―
Innovating in language education by innovating in assessment practice
-- why it fails and how not to fail it?

発表概要 テストで教育を変えようとする試みはほとんどが失敗に終わる、というのが言い過ぎであれば、テストと指導の一体化の試みは多くが期待した成果を上げることがないままにいつの間にか消えさってしまう。最も近くではわが国のいわゆる絶対評価(目標準拠評価)があり、米国の No Child Left Behind に例がある。なぜであろうか。どうすれば教育評価方法を効果的に指導に組み込むことができるのであろうか。このような疑問を解決するためにイノベーション理論がヒントを与えてくれる。たとえば新しい試みが成功するためには第一に相対的優位性(relative advantage)、すなわちイノベーションがこれまで行われてきたものよりも良いものであると使用者が認めることが必要であるとする。本講演では他の条件についても概説する。大学入試センター試験を例にとり、テストと他の教育評価法を指導の一貫として効果的に組み込むためにはどうすればよいのか参加者の方々と考察しながら理解を深めたいと思う。
発表者略歴 渡部 良典(上智大学)
英国ランカスター大学言語学博士課程修了。博士論文のテーマは大学入試の波及効果。現在上智大学外国語学部教授。大学院TESOLコースで授業研究、外国語指導・習得の研究方法などを担当している。